中国語を学習していると、自分の中国語能力がどの程度になっているのか知りたくなります。
また、中国語学習の目安・目標を設定したくもなります。学習する励みといいますかモチベーションになります。
あるいは、学校や所属企業・団体から中国語能力の申告(証明)を求められている人もいらっしゃることでしょう。
現在」、日本で中国語能力を測る検定試験は「中検」と「HSK」といえます。
では、その中検とHSKは何が違うのでしょうか?

日本中国語検定協会では以下のように説明されています。
「中検」と「HSK」との違い
「中検」と「HSK」は同じ中国語の検定試験ですが性格を異にする試験です。
出典: 日本中国語検定協会(http://www.chuken.gr.jp/tcp/outline.html)
「中検」は,中国語読解及び聴解能力のほか翻訳能力を問うものです。
「HSK」は,中国語による設問に中国語で答えることを求め,中国語の運用能力のみを問うものであり翻訳能力は問われておりません。
したがって,中検は日本の企業での活躍を目指す方,HSKは中国の大学本科への留学や中国企業で活躍を目指す方に適していると言えるでしょう。
また、同じページで以下のようにも説明されています。
漢字文化圏に属し幼時より漢字・漢語に親しんでいる日本人学習者を主たる対象とする「中検」と,国際性を重んじ大半が非漢字文化圏に属する世界各国の学習者を対象とする「HSK」とを比較することは困難である。
出典: 日本中国語検定協会(http://www.chuken.gr.jp/tcp/outline.html)
一方のHSKでは、以下のように説明しています。
HSKと中国語検定で求められる能力の違い
HSKは、中国語を用いたコミュニケーション能力の測定に特化しており、より実用的な中国語能力が求められます。それに対し中国語検定は、中国語の正確な知識を問う問題が出題され、日本語と中国語の相互翻訳力が求められます。
出典:HSK公式サイト(http://www.hskj.jp/about/)
本サイトでは、もう少し詳しく中検とHSKの違いを説明するとともに、中検とHSKの試験に合格するための勉強方法やノウハウについてご紹介します。
2020年度 中検(中国語検定)とは

中検(中国語検定)とは一般財団法人 日本中国語検定協会が実施している主に日本人向けの中国語能力検定試験です。
英検や仏検と同様なものと理解してよさそうです。
試験申し込みや本番の問題も日本語で記載されており、特に中国語学習者初心者には取り組みやすい試験です。
※中検1級でも問題は日本語で出題されます
中検は準4級、4級、3級、2級、準1級、1級が設定されており、最難関が1級です。
一般的には、準4級、4級、3級までと、2級、準1級、1級との間には壁(中国語能力のハードル)があるとされています。
日本中国語検定協会も、3級と2級の間の壁については承知の上で、以下のようにコメントしています。
「中検」は,下の級では「運用能力」,上の級では「読解能力」を測る問題の比重が上がっています。よく「3級は受かったが,2級の壁が高い」といった声を聞きますが,「運用能力」と「読解能力」の関係を理解し,「運用能力」をしっかりと固めつつ,「読解能力」を「広げる」ことが合理的な方法ではないかと考えます。
出典: 日本中国語検定協会(http://www.chuken.gr.jp/tcp/outline.html)
ここで言われている「運用能力」とは、道を尋ねたり友達と話したりするようなアウトプット的な能力。「読解能力」とは、雑誌や新聞を読んだりテレビを見たりするようなインプット的な能力を意味しています。
中検は2020年度には3回(第101回、第102回、第103回)が予定されています。
詳しい日程や試験会場、受験料などは以下をご覧ください。
中検(中国語検定)の公式サイトはこちらになります:
2020年度 HSK(中国語標準検定)とは

HKS公式サイトでは「日本で最も選ばれている中国語資格」と紹介されています。(2018年の受験者数は34,018人とのことです)
数ある中国語検定の中でも、HSKは中国政府教育部(日本の文部科学省に相当)直属の機関である「孔子学院总部/国家汉办」が主催し、中国政府が認定する資格です。(主催団体は、中国政府教育部 孔子学院总部/国家汉办)
出典:HSK公式サイト(http://www.hskj.jp/about/)
そのため、HSKの成績報告は、中国国内だけでなく、日本国内、そして世界中で公的証明として活用することができます。
HSKについては、取り扱い書店や生協などでパンフレットが配布されており目にされたり手に取られたことのある人も多いことと思います。
例えば以下のようなものです。(見やすいように表裏並べてあります)

HSKは中検同様に受験し易い中国語検定試験であるといえます。
HSKは毎月試験が実施されているので2020年度は12回の試験が予定されています。(といっても準会場のみ実施という月もありますので注意が必要です)
詳しい日程や試験会場、受験料などは以下をご覧ください。
中検(中国語検定)とHSKどちらがおすすめ?

結局のところ、中国語学習を進めている人にとって、中国語能力を測るには中検とHSKのどちらが良いのでしょうか?
一般的には以下のように言えると思います。
- 日本国内で中国語を使うために中国語学習をしている人であれば「中検」がおすすめ
- 中国や台湾への渡航や中国人とのビジネスなどに関与する人であれば「HSK」がおすすめ
ただ、本サイトとしては「中検」と「HSK」両方受験して、自分に合いそうな(相性の良い、やり易い)方をおすすめします。
どんな人にも、どんな試験にも、相性というものがあります。
中国語学習に限らず、学習を進めていくと壁に突き当たったり、くじけそうになったり、様々な困難や苦難が待ち受けています。
そんな時には「中検の3級だから、今度は2級に合格しよう!」とか、「HSKの5級を絶対にとるぞ!」がスランプ脱出のきっかけになるからです。
なので、そういう気持ちになれる自分に合った試験を選択すべきなのです。
壁を乗り越えたときには、きっと素晴らしい中国語の景色が広がっていますよ。
ぜひ一緒に頑張りましょう!